不安な童話 - 書籍情報- 著者:恩田陸
- 出版社:新潮社
- 作品刊行日:1994/11
- 出版年月日:2002/12/1
- ページ数:344
- ISBN-10:4101234140
BOOK REVIEWS
不安な童話は恩田陸の3作品目なのですが、3つ目ともなると「恩田陸とはこんな作家だ!」という大体のイメージが固まってくる頃だと思います。
…が!まさか、こうまでも前作、前々作から作り上げられる作家イメージをぶっ壊してくるとは思いませんでした。
ずっと漂うふわふわとした不気味さ。読み終わってもスッキリしない謎。様々な視点から描く群像劇形式のリドル・ストーリーの担い手。それが前回までの僕の中の恩田陸だったです。
「お、恩田陸なのにオチがついている!?」「お、恩田陸なのに伏線全部回収している!?」「お、恩田陸なのに一人称小説!?」「お、恩田陸なのに本格派ミステリー!?」
お、お、おん、おん…とキョドリすぎて最後にはアゴがハズレました。そして僕は、アシカになったのです…。
スポンサードリンク
小説『不安な童話』 – 恩田陸・あらすじ
「私はこのハサミで刺し殺されるのだ!」強烈なデジャヴに襲われ、高槻倫子の遺作展で失神してしまった24歳の万由子。大学教授の秘書を務める彼女には昔から不思議なチカラがあった。そんな彼女の元に高槻倫子の息子が訪れる。「あなたは25年前に殺された母の生まれ変わりかもしれない」と告げられた万由子は息子のお願いを聞き、倫子の死について調べ始めるのだが…。
読書エフスキー3世 -不安な童話篇-
前回までの読書エフスキーは
あらすじ
書生は困っていた。「オンオン言いたい。僕もオンオン言いたいおん!」と仕事中に寝言を言ったせいで、独り、無料読書案内所の管理を任されてしまったのだ。すべての本を読むには彼の人生はあまりに短すぎた。『不安な童話』のおすすめや解説をお願いされ、あたふたする書生。そんな彼の元に22世紀からやってきたという文豪型レビューロボ・読書エフスキー3世が現れたのだが…
不安な童話 -内容紹介-
大変です!先生!恩田陸の『不安な童話』の事を聞かれてしまいました!『不安な童話』とは一言で表すとどのような本なのでしょうか?
“生まれ変わりをテーマにした本格ミステリー”デスナ。
…と、言いますと?正直な所『不安な童話』は面白い本なのでしょうか?
窓は大きく開け放してあったが、風はほとんどなく室内は蒸し暑かった。
引用:『不安な童話』恩田陸著(新潮社)
コンナ一文カラ始マル“恩田陸”ノ1994年の長編小説デス。読メバワカリマス。
えーっと、それでは困るのです。読もうかどうか迷っているみたいですので。ちょっとだけでも先生なりのご意見を聞かせていただきたいのですが。
読む前にレビューを読むと変な先入観が生マレテシマイマスノデ…
ええい、それは百も承知の上!先生、失礼!(ポチッと)
ゴゴゴゴゴ…悪霊モードニ切リ替ワリマス!
うぉおおお!先生の読書記録が頭に入ってくるぅぅー!!
不安な童話 -解説-
「私のグレーテル」高槻倫子が発したその言葉がやけに印象的なプロローグからこの物語は始まります。『不安な童話』というタイトルは不遇な死を遂げた高槻倫子という女流画家が出した画集の名前から付けられているのです。
私のグレーテル…。なんかもうその響きだけでも怖いんっすけど。そして不安な童話て…。
『不安な童話』という名前をつけるだけあって、眠れる森の美女やら白雪姫やら幸福の王子などをモチーフに暗い絵を描く画家だった高槻倫子。
幸福の王子は僕も大好きな作品です。オスカー・ワイルドですよね。もう何十回も繰り返し読んでますよ。あれをモチーフにした絵ならちょっと見てみたいですね。
だが、そんな彼女は通り魔に殺されてしまいました。
犯人は未だに見つからないまま。彼女の死後、遺作は人々の前に発表される事なく25年経ちます。
初っ端からミステリー色強いんですね。今回の作品は。
そして舞台は現在へ。この小説の主人公、古橋万由子24歳はそのずっと発表される事のなかった高槻倫子遺作展を観に行くのです。
自分が生まれる1年前に死んだ画家の絵。しかも今回初めて発表される絵たち。なのに万由子は知っている。
知っている。ここにある絵、すべて。そして見えてくるハサミ。私はこのハサミで刺し殺されるのだ!「ハサミが・・・ハサミが・・・」と言って、その展示会場で気を失ってしまいます。
不安さをグリグリと押しつけはしてこないけれども、なんとなく不気味です。
ここまで読んで、おぉ、これは恩田陸のデビュー作『六番目の小夜子』チックだなとポンと頭に浮かんできました。今回もこんな感じで複数の視点で書いていくんだなと。
前回もそうでしたが、恩田陸はグランドホテル形式の書き方が好きなんですね。
しかし、その予想は裏切られます。
この後はずっと万由子視点で物語が進むのです。
ほほー!三作品目にして書き方を変えてきたのですね!
そもそも1作品目2作品目と高校生の噂的なものを扱ってきた作品でしたが、今回はガラリと変わって、主人公は大学教授の秘書です。
ハサミが…と言って失神してしまった女性がいると話を聞き、万由子の職場にやってくる倫子の息子、秒。
秒!?なんとも斬新な名前。やっぱり芸術家は感性が違うんでしょうねぇ。
彼は突然、万由子は母の生まれ変わりかもしれない、なんて言い出します。
荒唐無稽な事を言いだしたもんだと万由子と教授の浦田泰山は思うのですが、秒の話を聞いていくと冗談ではないのかもしれないと思えてくるのです。
万由子には昔から不思議なチカラがあって、無くした物を発見するのが得意でした。それはなんというか、人の意識の中にある無意識を感じ取って、忘れていた物を読み取るような能力。その能力が倫子にもあったと言うのです。
しかも万由子は一度も見たことがないはずの倫子の遺作の絵を、なぜか前に見たことがあった気がしましたし、ハサミハサミと言って失神した理由も…。
そうです。偶然の一致。こりゃー冗談と言って笑えなくなってきちゃいました。
息子の秒はそんな生まれ変わりかもしれない万由子になぜ会いに来たかと言うと、倫子の遺書が見つかって、その遺書には「とある人々に絵を渡してくれと」書かれていました。
その絵を渡す場に立ち会ってくれないか?って感じですか?
ですです。母親は通り魔に殺された事になって、事件は未解決のまま。もしかしたら、その遺書に書かれた人達の中に犯人がいるかもしれない。もしそうだとしたら生まれ変わりのあなたは、その人達の顔を見る事でなにかを思い出すかもしれない…と、こうなるわけですね。
小さい頃に死んでしまった母の事をあまり覚えていない秒は、少しでも母のことを知りたいと万由子にお願いしに来たのです。
あー。最初の私のグレーテルっていうのは秒くんの事なんですか。
まぁ、そんな感じのあらすじで、この後、絵を渡しに行く展開になるわけです。それで、万由子は本当に倫子の生まれ変わりなのかどうかっていう謎を解き明かしていく本格的なミステリー。
前回までは噂の真相的な感じでしたが、殺人事件を追いかけていくあたりが本格的!
今回とにかくビックリした事は、一本の謎をちゃんと最後まで引っ張ったことです。
おぉ!起承転結の「承」あたりでいっつも謎を明かしていたのに、最後までですか。
『六番目の小夜子』はサヨコは誰なんだっていう謎は物語の半分で明かされましたし、『球形の季節』の噂も物語の半分らへんでヴェールを脱がされてました。
それなのに、今回は生まれ変わりなのかどうかを最後まで引っ張る、と。
恩田陸が今までと全く違う書き方をしている!文章構成が変わった!!と度肝を抜かれました。
確かに文章構成から舞台設定から全部をガラリと変えましたね。
1作、2作と似た舞台で似た構成で全く違う作品を書き上げた恩田陸でしたが、芯に流れる文章の書き方から恩田陸の作品イメージはある程度私の中で出来かけていた所でした。
もし作家名を伏せられて読まされたら、同じ作家が書いたものだとわからないかもしれません。
今までの恩田陸で一番特徴的だった、フワフワした読後感。それを生み出していた「謎を全部解明せずに終わるラスト」。それすら今回の作品には顔を出さないのです。
マ、マジですか!フワフワなのが恩田陸だったじゃないですか!
あまりに本格的な。本当に本格的なミステリーなのです。
綾辻行人が解説で説明してくれなくても、今回はなんのジャンルを読んだのかわかる作品ってことですね!
今回の『不安な童話』は恐らく今までの作品3つの中で一番ミステリーファンには受け入れられやすい作品なんじゃないでしょうか。
確かに今まではミステリー好きな人からの酷評を受けやすい作品でしたもんね。フワフワラストのおかげで。
ま、しかし、本格的ミステリー。それで終わっては恩田陸の個性が全くないただの作品になってしまいます。
あー…。言われてみれば確かに。恩田陸とはこういう作家だというイメージをぶっ壊して来たわけですから、何か他の特徴がないと他のミステリー作家との差別化が出来ないような。
そこでです。本格的なミステリーと言いましたが、あくまでも本格「的」であって本格「派」ミステリーと言わなかったのは、やはりそこにちょっとしたファンタジー要素を組み込んでくるからです。
彼女の作品は、ジャンル分けに困る。そこは3つの作品に共通しています。
あら…。今回はがっつりとミステリーなのだと思っていました。
ホラー?ミステリー?ファンタジー?その全部とも言えるし、どれだとも言い切れない書き方。
『六番目の小夜子』ではその書き方に衝撃を受けました。僕は一体何を読んでいるのだと…。
ホラーを押し付ける為の残虐なシーンはないし、ミステリーに入れていいのか?と不安になる超能力の存在。ファンタジーに振り切れない世界観。
そのバランスが絶妙なんですよね…。恩田陸って。
取る人によっては「こんなのホラーじゃない!」とキレる人もいるだろうし、「ミステリーとして認めない!」と言い張る人もいるでしょう。そして「ファンタジーならちゃんとファンタジーを書けよ!」と言う人もいると思います。
各ジャンルのコアなファンはクッキリと境界線を引かれた作品の方が好みでしょうね。目が肥えているわけですし。より強く!より激しい刺激を!ってな感じで。
しかし、そのすべてのジャンルに振り切らないのに、与えてくる恐怖と好奇心と高揚感。このバランスは本当にスゲーなと思います。
この押し付けがましくない文章。ほら怖いでしょ?ほら気になるでしょ?ほら高まるでしょ?と全く言ってこない文章。
読んでいて不思議と心地よい、積極的に能動的になれる読書時間を提供してくれる恩田陸の文章は非常に魅力があると私は思うのです。
そーですね。読書ってテレビと違って自分の積極性がなければ進みませんもんね。
まぁ、振り切らないデメリットもあると言えばあります。
本格的なミステリーと言いましたが、犯人はありがちな展開です。読んでいるうちにきっとこうだろうなという予測が出来てしまうんですよね。
ただ、犯人がわかってもこの作品は読む気が失せはしない!読み終わった後に後悔はしない!
伏線の回収がすごく鮮やかなんです。私はこの本を読み終わった後に、やった行動があります。次の写真を見てください。
そう。この本の重さを測りたくなったのです。191g。なぜこんな事をしたくなったのか。それはこの本に書かれている事があまりにも、無駄がなかったから。
時折出てくる逸話や脇にそれた小話は小説の醍醐味じゃないですか。
しかし、その大半は実の所、物語の進行上では無くても困らないもの。
確かにそうですね。作者が登場人物を通して主張したいメッセージ的なものですよね。吾輩は猫であるとか会話が面白くて読んでましたもん。ストーリーほぼないのに。
最近で言えば、例えば村上春樹の作品に度々登場するジャズやウィスキーの話は無くなったとしても、彼の作品の魅力は減るかもしれませんが、物語として成り立ちます。
あぁ。確かに。あれがきっかけで
ビル・エヴァンスを聴き始めてジャズ好きになりました。
しかし『不安な童話』はそうではありません。ちょこちょこ出てくる雑談、そのひとつでも無くなってしまっては物語が成り立たなくなってしまう。
それぐらい無駄がないように、marker-のです。191g、すべてが無駄なく『不安な童話』を作り上げているのです!
まぁ、人によっては「幼馴染の今泉俊太郎はいらんかったやろ。あれは無駄ちゃうんかい」と言う人もいるかもしれないけど。
それならばぜひ【第三章 すべての道が、海につながっているように見える】の部分を読んで欲しい。幼馴染で大金持ちの息子の彼の発言がすごく意味を持っている。そして幼馴染である必要もある。
191g底上げもなしの本格的なミステリー小説。もうそんな物を目の前に出されてしまったら私は拍手をせざるを得なかった。
おぉ!おぉ!おぉ!と歓喜し、お、恩田陸がまさか。お、おん。お、恩田…とおんおん驚愕し、エピローグの中の「私のグレーテル」まで読み終わった後には拍手してました。
そうだよ。これなんだ。このラストこそが読者が求めているフワフワ感の完成形だ。謎を残せばいいってものではなく、終わりの先を想像させるラスト!3作品目でここまで来るとは…。すげーぜ恩田陸!
人をアシカにする小説。私ならきっとそんなポップを書くでしょうね。ま、採用されないでしょうが。オンオン言って拍手したくなりますよ、これ読むと。
批評を終えて
以上!白痴モードニ移行シマス!コード「ムイシュキン・アグラーヤ・ポルズンコフ!」
「僕もオンオン言いたいおん!」…って、あれ?僕は一体何を…。
何をじゃないよ!仕事中に居眠りこいて!なにが「オンオン」だよ。ついに壊れてしまったか。
え?あれれ?読書エフスキー先生は?
誰だそれ。おいおい。寝ぼけ過ぎだぞ。罰として一人でここの案内やってもらうからな!
えーっ!?一人で!?で、出来ないですよ〜!!
寝てしまったお前の罪を呪いなさい。それじゃよろしく!おつかれ〜
ちょっ、ちょっと待って〜!!…あぁ。行ってしまった。どうしよう。どうかお客さんが来ませんように…。
…あのすいません、不安な童話について聞きたいんですが。
(さ、早速お客さんだーっ!!ん?でも待てよ…)いらっしゃいませー!恩田陸の作品でございますね。おまかせくださいませ!
あとがき
いつもより少しだけ自信を持って『不安な童話』の読書案内をしている書生。彼のポケットには「読書エフスキーより」と書かれたカセットテープが入っていたのでした。果たして文豪型レビューロボ読書エフスキー3世は本当にいたのか。そもそも未来のロボが、なぜカセットテープというレトロなものを…。中に吹き込まれた音声は一体…。名言や気に入った表現の引用
「一杯の茶を飲めれば、世界なんか破滅したって、それでいいのさ。by フョードル・ドストエフスキー」という事で、僕の心を震えさせた『不安な童話』の言葉たちです。善悪は別として。
自分が存在するよりも遥かな昔からこの世界が存在していたというのは、どう考えても不思議だ。少なくとも私にはその事実を証明することができないではないか? みんなが私の生まれた時点から口裏を合わせているのかもしれないし。この世界が私だけの百メートルの短距離走ではなく、永遠に終わらないリレー競技であるということを理解するのはなかなか難しい。
誰かが言っていたけれど、たしかに本というのは、床に置くと知らないうちに増殖するんだな。
そこには、熊のプーさんみたいな男が立っていた。
ふだんは意識していなくとも、時折存在しない人の大きさが胸に迫って来る。
中学や高校に進学した時、卒業した時に、こっそり母の写真のあるアルバムをめくったことを思い出す。一番喜んでくれるはずの人がいないことを思い知らされる季節。
私だけかと思っていたが、六歳年上の姉が就職した時、やはりそっと隠れて母のアルバムを開いているのを見てしまった時は、なんとも言えない気分になった。
その声は、アルミホイルをキシキシ潰しているような、耳障りな声だった。
よく、クロッキーブックにさらさらスケッチしては、ちぎって紙飛行機を作ってたのよ。何してるのって訊くと、頭の中にあるものを追い出してるの、って答えるの。すごい勢いで何枚も描いて、くしゃくしゃって飛行機を折って、部屋の中や窓から飛ばすの。
何かの研究でもさ、それまで何十年も解決できなかった問題が、突然世界のあちこちで同時に解明されたりするんだよね。ふっとみんなが同じことを思いつく。やっぱり、この世の中には、われわれの知らない法則がいっぱいあるんだねえ
どうして生まれ変わりなら信じられるかっていうと、結局、死というものがいつもわれわれには未知だからだよね。われわれは生しか知らない。生の間の記憶しかない。自分が突然やって来て突然いなくなるというよりは、ずっと続いているものの一部というほうが受け入れやすい。だって、自然界のものはみな循環してるじゃない? 水だって、地球上の総量は一定で、雲になって雨になってぐるぐる回ってる。そういうものが周りにあるのに、人間だけが一過性のものだとは考えにくいよね。べつに仏教のせいとかじゃなくて、これって人間が根本的に持ってる思想だと思うんだ
いつのまにか遠いところに来ているのに気付き、どこか見えないところで、大きな歯車が回っているような気がしてならなかった。
ふと、膝に乗せた自分の手を見下ろす。両手が空いている時間なんて、人生にはほとんどない。いつも何か両手いっぱいに荷物を持って遠くへ行くのだ。
引用:『不安な童話』恩田陸著(新潮社)
不安な童話を読みながら浮かんだ作品
ジャンル:ホラー
監督:ジャウム・コレット=セラ
主演:ベラ・ファーミガ, ピーター・サースガード, イザベル・ファーマン
エスター。あの映画は決して生まれ変わりの話ではないけれど、なんとなくあの不気味さが頭の中に浮かんできました。
レビューまとめ
ども。読書エフスキー3世の中の人、野口明人です。
検索してみるとこの『不安な童話』は恩田陸っぽくない作品みたいですね。1、2作品目から感じた恩田陸が今後の恩田陸のイメージに強いのかな。今まで恩田陸を読んで来なかった分だけ、恩田陸とはこういう作家だ!というイメージがないまま読書をするのも面白いものですね。色々な発見がある。
それにしてもこの本は読みやすかった。僕は遅読なもんで、今まで1週間に1冊ずつぐらいで読むペースでしたが、これは3日で読めました。それがこの作品のおかげなのか、自分の読書習慣が戻ってきつつあるのかわかりませんが、早く読めるのはいいことだ。
とにかく僕が『不安な童話』を読んで感じたことは、今もなお売れている作家の初期作品とはこうもバラエティに富んだものなのか。というものでした。早く次の作品が読みたいです。次は一体どんな顔を見せてくれるのかな。
次回は『三月は深き紅の淵を』を読む予定です。
ではでは、そんな感じで、『不安な童話』でした。
ここまでページを閉じずに読んで頂いて本当にありがとうございます!
最後にこの本の点数は…
スポンサードリンク
不安な童話 - 感想・書評
不安な童話¥ 590
- 読みやすさ - 93%
- 為になる - 71%
- 何度も読みたい - 67%
- 面白さ - 81%
- 心揺さぶる - 86%
80%
読書感想文
1作品目、2作品目とは舞台も状況も書き方も文章構成もガラリと変えた作品。なかなか完成し過ぎているので、一番最初にこの本を読んでいたら、もしかしたら恩田陸を好きになっていなかったかもしれない個性控えめのアラの少ない作品ですが、恩田陸を徐々に知った上で読むと、こんな書き方も出来る作家なのか!と驚かされる作品だと思います。