『人を操る禁断の文章術』パクリ?メンタリストDaiGoの手法

人を操る禁断の文章術というメンタリストDaiGoの本がとあるブログで紹介されていました。そのブログではブロガーの人には絶対に紹介したくない本と書かれていたのです!

そんな事言われるとブロガーの僕としては逆にどうしても中身が知りたくなるじゃないっすか!?さらにAmazonのレビューを見てみると、これが高評価の嵐というね。そりゃーもう気になりまくりですよ。

しかし、気になる点が一つ。それは…

ネットビジネスで言われていることの丸パクリ。DaiGoが書いている事はまねっこ。誰でも知ってる常識的な内容。古典的DRMの超絶劣化版

少数の低評価をつけている人のこんな感じのレビュー内容です。

ネットで仕事している関係上、この10年で文章術、コピーライティング系の本はクソ程読んできました。それだけでなく、マーケティング系、DRMの本も読みましたし、実践もしてきました。

そこでわかった事は、読者はテクニックだけでは動かないという事です。言い換えれば文章術だけでは人は操れないのです。

ではなぜ今この本が絶賛されているのか?これを読んだ人たちは本当に人を操る事が出来るようになるのか?一体この本は誰が読むべきなのか?

それを解明するべくメンタリストDaiGoの『人を操る禁断の文章術』を手にとってみたのですが…。

スポンサードリンク

書籍『人を操る禁断の文章術』 – メンタリストDaiGo・概要

人を操る禁断の文章術
4.0

著者:メンタリストDaiGo
出版:かんき出版
ページ数:177

相手を思うままに行動させたい人へ、セールス、プレゼン、恋愛、依頼など様々なシーンを幅広く網羅。人間の感情をゆさぶる7つのトリガー、相手の想像力を使って最も激しく心を動かすことができる5つのテクニック。メンタリストDaiGoの読み手の心を自在に操るメンタリズム文章術…

読書エフスキー3世 -人を操る禁断の文章術篇-

前回までの読書エフスキーは

あらすじ
書生は困っていた。「合計1000ページもあったらそれはもう“ライト”ノベルじゃないっすよね!?」と仕事中に寝言を言ったせいで、独り、無料読書案内所の管理を任されてしまったのだ。すべての本を読むには彼の人生はあまりに短すぎた。『人を操る禁断の文章術』のおすすめや解説をお願いされ、あたふたする書生。そんな彼の元に22世紀からやってきたという文豪型レビューロボ・読書エフスキー3世が現れたのだが…

人を操る禁断の文章術 -内容紹介-

無料読書案内の書生
大変です!先生!メンタリストDaiGoの『人を操る禁断の文章術』の事を聞かれてしまいました!『人を操る禁断の文章術』とは一言で表すとどのような本なのでしょうか?
読書エフスキー3世
“コピーライティングに全く触れたことがない人専用の文章術”デスナ。
無料読書案内の書生
…と、言いますと?正直な所『人を操る禁断の文章術』は面白い本なのでしょうか?

 本書を手にとってくださり、ありがとうございます。メンタリストDaiGoです。
 冒頭から唐突ですが、文章が持つ強い力を知っていただくために、1つ質問させて下さい。
 もし、この質問の意図を正確に見抜くことができたなら、ここから先を読み込む必要はありません。あなたはすでに文章が持つ力について十分に理解しかいるからです。ぜひ、具体的な技術について書かれた第2章以降へとページを進めてください。
 逆に「文章術の本で、なんでこんなことを聞かれるんだろう?」と思った方は、ラッキーです。この冒頭部分だけでも、私からあなたに伝えられることがたくさんありますから、じっくりと読み進めてみてください。

 では、質問です。

あなたの思う、世界最高の美女とは?

引用:『人を操る禁断の文章術』メンタリストDaiGo著(かんき出版)

読書エフスキー3世
コンナ一文カラ始マル“メンタリストDaiGo”ノ2015年の著書デス。読メバワカリマス。
無料読書案内の書生
えーっと、それでは困るのです。読もうかどうか迷っているみたいですので。ちょっとだけでも先生なりのご意見を聞かせていただきたいのですが。
読書エフスキー3世
読む前にレビューを読むと変な先入観が生マレテシマイマスノデ…
無料読書案内の書生
ええい、それは百も承知の上!先生、失礼!(ポチッと)
読書エフスキー3世
ゴゴゴゴゴ…悪霊モードニ切リ替ワリマス!
無料読書案内の書生
うぉおおお!先生の読書記録が頭に入ってくるぅぅー!!

人を操る禁断の文章術 -解説-

読書エフスキー
人を操る禁断の文章術。このタイトルを見てどう思いました?
書生
え?タイトルですか?うーん…。10年ぐらい前のビジネス書にこういうタイトルすごーく沢山あったなぁ…と。それが第一印象でしょうか。
読書エフスキー3世
確かに。そうですね、最近は減りましたが、昔は“禁断の”とか“ヤバい”とか“魔法の”っていうちょっと非道徳感を煽ってくるタイトルが流行りましたね。
書生
本のタイトルって結構ジャケ買いする時に重要なんですよね。
読書エフスキー3世
もう今じゃ、香港のネオン状態ですけどね。
書生
香港のネオン?
読書エフスキー3世
知ってますか?香港の名物とも言える道路にせり出したネオンサイン、あれって最初はある一つの店舗だけが始めた事でして、その頃はその店舗はすごーく目立っていたんです。
書生
ん?あー、確かに暗闇にひとつだけギラギラと光っていたら目立ちますね。
読書エフスキー3世
でも今は、その最初の店舗がどれだかわからないぐらい全体が光っている。だから今度は逆にネオンが付いていないお店のほうが目立つというか。
書生
それはつまりどういう事なんです?
読書エフスキー3世
いやー、本のタイトルもですね、禁断のとか魔法のとかそういうのばかりになってしまったら、それを目にしてもお客さんが反応しなくなるわけですよ。
書生
確かに。「またかー」って思うようになってから手にも取らなくなりましたね。
読書エフスキー3世
そうなると新たなタイトルの付け方がブームになって、それらにとって変わる。
書生
意外とシンプルなタイトルの付け方の本とか、しゃべっているようなタイトルとか、漫画で解説とか、もしも〇〇とか色々とブームありましたね。
読書エフスキー3世
ええ。そして時代は繰り返す。昔流行ったタイトルが、今また現れた。すると昔を知らないお客さんは反応するでしょうし、昔を知っている人たちも懐かしいなぁ〜と反応する。
書生
あー、昔のファッションが今の流行になるようなものですね。
読書エフスキー3世
それが今回の『人を操る禁断の文章術』というわけです。
書生
ほほー。中身はどうなんです?結構レビューで高評価が多いんですけど。
読書エフスキー3世
ぶっちゃけちゃって良いですか?
書生
ぶっちゃけるという言葉を先生も使うんですね。「隠さずあらいざらいお話しても良いですか?」的な堅い感じの言葉を使うイメージがあったんですが。
読書エフスキー3世
私も常にアップデートされていますのでね。最新の言葉で言えば“imao”ですね。まぁ、この本を差し障りのない感じで言えば、昔のコピーライティングの総集編を今風にわかりやすく説明した本です。
書生
コピーライティングの総集編…。ん?imaoってナンスカ?
読書エフスキー3世
In My Arrogant Opinionの略でネットスラング用語です。訳すと「ぶっちゃけ」ですね。
書生
あー、言い方変えただけなんですね。
読書エフスキー3世
でもそれが重要なんですよ。
書生
え?
読書エフスキー3世
コピーライティングの総集編。中身はそうでも、メンタリストの文章術って言われたらどうですか?
書生
あー、なんか別物のような気がしますね。
読書エフスキー3世
つまりはそういう事です。コピーライティングはいわゆる心理学や人の習性などをあれこれ混ぜ込んで、セールスなどに活用される文章術。一方メンタリストも扱うのは人の心理や習性でしょ?
書生
メンタリストってテレビとかのマジシャン的なパフォーマンスで有名になりましたけど、結局は心理学とか占い師が使うコールドリーディングの応用ですもんね。
読書エフスキー3世
でも、人間は呼び方を変えるだけで食いついてしまう
書生
流石メンタリストですね。人の心をよくわかっている。…ということは、この本はそれほど価値がないのでしょうか?高評価レビューに反して。
読書エフスキー3世
いえいえ。そんな事は言っていません。この本の価値は“わかりやすい”という所にあります。
書生
うーん。でもそんな本なら今までも結構あったでしょう?
読書エフスキー3世
確かにコピーライティングでわかりやすく解説してある本はありました。でも、それはコピーライティングを「マジで仕事で使いたい人向けの」本です。
書生
意識高い系って事ですか。
読書エフスキー3世
そういう本って、キャッチコピーづくりで悩んでいるとか、マーケティングやら、コンサルタントの仕事に付きたい人とかなら探してでも手にとっていた本ですが、そうじゃない人はそういう世界があることすら知らない場合が多く、あまり読まれていなかったんですね。
書生
ふむふむ。
読書エフスキー3世
でも今じゃ、スマホ片手に頻繁に文章を打つようになりましたし、コミュニケーションもSNSなどの普及で身近なものになった。本や新聞を読む人が減っているようですが、ブログやSNS、メールなどで文字を読む層は増えている
書生
層が増えているかー。文章が身近になったんですね。動画とかも文字で装飾しないとつまらないですし。
読書エフスキー3世
ビジネスマン向けだったコピーライティングが、小学生から高齢者まで男女問わず興味のあるものになったわけですね。
書生
なるほど。コピーライティングなんて知らない人からみれば、昔の総集編を見せられても斬新なものに映りますね。
読書エフスキー3世
そして、その層をターゲットに選んで書いたとなれば、とにかくわかりやすいものが求められる。詳しいものではなくわかりやすいものを。
書生
ははーん。なるほどなー。それにしても10年前の総集編って今でも使えるんですか?
読書エフスキー3世
10年前のコピーライティング全盛期を思い出してください。10年前も、その10年、20年、100年も前の情報の総集編だったんですよ。
書生
え?そうなんですか?
読書エフスキー3世
Albert LaskerとかGary Halbertとか、John Caples、John Carlton、Joseph Sugarmanとか聞いた事ありますか?
書生
あー、名前知ってます。コピーライティングを勉強している時に、その人たちの本を読みました。でも、みんな言っている事がほとんど一緒なんですよね。
読書エフスキー3世
それで良いのです。1974年に発行されたウォール・ストリート・ジャーナルのキャッチコピーはご存知ですか?
書生
あー、Two Young Menですか。

Dear Reader:

 On a beautiful late spring afternoon, twenty-five years ago, two young men graduated from the same college. They were very much alike, these two young men. Both had been better than average students, both were personable and both — as young college graduates are — were filled with ambitious dreams for the future.

(親愛なる読者へ。25年前の美しい晩春の午後、二人の若い男が同じ大学を卒業しました。この二人の若者は非常に似ていました。どちらも成績は良好、性格も良く、将来の夢と希望に満ちあふれていました。)

読書エフスキー3世
これですね。この後、二人に変化が起きて、一人は小さな会社の部長、一人は社長になりました。二人の違いはなんだったのでしょう?って続くわけですね。
書生
そういう似た者同士なのに、差が出たっていうキャッチコピー多いですよね。『金持ち父さん 貧乏父さん』なんてまさにタイトルでそれを発揮していますし。

They Laughed When I Sat Down At the Piano But When I Started to Play!

(私がピアノの前に座るとみんなが笑いました。でも弾き始めると…)

読書エフスキー3世
このキャッチコピーも有名ですよね。
書生
John Caplesが1925年に書いた音楽学校の通信講座の広告ですね。これも様々な応用で使われていますよね。
読書エフスキー3世
こういうキャッチコピーは、統計学から結論を導き出すのです。何度もテストして、結果の良いものだけを残していく。
書生
トライアル・アンド・エラーとかPDCAサイクルって言われているやつですね。
読書エフスキー3世
昔の人が積み上げた統計に、新しい人も統計を積み上げる。コピーライティングのスタートは統計学なんですよ。
書生
統計学って事実の積み重ねですよね。それなら天変地異でも起こらない限りは結果が大きく動くことはなさそうですね。
読書エフスキー3世
人間もそう。100年やそこいらで脳が2つに増えたりしたわけではないので、基本的な行動は変わりません。悲しければ涙が出て、疲れたら眠り、嬉しかったら笑うように、なんとなーく行動パターンがインプットされています。だからコピーライターたちは口を揃えて言うのです。「人間の行動は昔っから変わらない」と。
書生
なるほどー。言っている事が似ているのはそういう理由なんですね。
読書エフスキー3世
そこに科学が加わってみなさい。
書生
科学?
読書エフスキー3世
科学とは結果があって、それを論理的に証明したものです。現象が先にあって、それを理解するために説明したもの。
書生
あー、なんか理科の先生がそんな事を言っていました。
読書エフスキー3世
そして現代人は科学を万能だと思いこんでいる所がありますから、科学で証明されたと書かれると信じてしまうわけです。
書生
統計学で偶然同じ行動をしているのを発見して、それを動物実験やら脳科学やらで確証を得た。それを人々は真理と捉えるって感じですか。
読書エフスキー3世
そうです。それを逆から説明するだけで、テクニック集の出来上がり
書生
脳科学でこんな事がわかりました。それを利用して文章でこうやって書いてみて下さい。すると人間はこういう行動をとってしまうのです!…みたいな?
読書エフスキー3世
そう。今回の『人を操る禁断の文章術』っていうのはまさにそれです。人の心を操るなんて書いてありますけど、脳科学や法則、〇〇効果という枕詞を使って統計学の結果を教えてくれているだけなのです。つまりは過去のコピーライティングの総集編。
書生
…でも、先生。ぶっちゃけ過去に仕事でそういうテクニック集を使ってみた事ありますが、必ず壁にぶち当たるんですよ。
読書エフスキー3世
ええ。確かにそうです。小手先のテクニックを使っても根本がおかしかったらお客さんの心は動きません。たまにあるでしょう?なんかこの人、良いこと言ってそうな気がするんだけど、嫌な感じがするな〜って事。
書生
あー、テレビショッピングとかでもありますよね。返金保証とか、限定何台みたいな、すげーテクニックぎっしり詰まったセールスしているけど、この商品は絶対に買いたくねーなってやつ。
読書エフスキー3世
消費者は商品を買う時に意外と誰から買うってのを重要視するんですよ。それがたとえ文章でもどんな人が書いているのかってのは案外にじみ出てくるものです。
書生
そーなると、今回のタイトル『人を操る禁断の文章術』って問題じゃないですか?人を操ろうと考えている人の商品なんて買いたくないですよ。
読書エフスキー3世
なのでね、この本はビジネスで使う人向きではないのだと思います。どちらかというと、友人とか会社の上司とのやり取りで困っている人向けの本
書生
あー、だから「コピーライティングに全く触れたことがない人専用の文章術」って事なんですね。
読書エフスキー3世
そうです。人とコミュニケーションをとるのが苦手だったり、自分の言いたいことを文章で伝えるのが苦手な人が、どういう所に気をつけて書いたら相手から返信がもらいやすいのかとかを学ぶための本だと思います。
書生
そういう用途であれば、ずっしりとした本より、サクッと読みやすくわかりやすい本のほうがありがたいですね。
読書エフスキー3世
まぁ、でもこの本自体はそういうターゲティングをせずに、ビジネスにも使えるし、友人や恋人に送るメールなどでも使えるなんて幅広げちゃったから、誤解を生んでしまったってのはありますね。
書生
気になっていたんですよね、高評価レビューの中にひときわ厳しい意見の低評価が混じっているのが。
読書エフスキー3世
きっとその人たちはビジネス書としてこの本を読んだんでしょう。ビジネス書を読む人は他にもこういう本は読んだ事あるでしょうから、それらと比較すると内容は薄いですし、直接結果につながるような大切なベースは教えてはくれていません。なので不満は出ますね。
書生
直接結果につながるような事を教えてくれている本ってどんなのです?
読書エフスキー3世
それはまた別の章でお話する事にしましょう。
書生
おおう。もったいぶりますねー。
読書エフスキー3世
というわけで、『人を操る禁断の文章術』はライト層向けの非ビジネス書というくくりでよろしくお願いします。
書生
なんだかわからないけれど、お願いされた!?あ、ライト層と言えば…。

批評を終えて

読書エフスキー
以上!白痴モードニ移行シマス!コード「ポリーナ・ボボーク・ポルズンコフ!」
無料読書案内の書生
「合計1000ページもあったらそれはもう“ライト”ノベルじゃないっすよね!?」…って、あれ?僕は一体何を…。
職場の同僚
何をじゃないよ!仕事中に居眠りこいて!それにライトノベルって重さの話じゃねーよ。
無料読書案内の書生
え?あれれ?読書エフスキー先生は?
上司
誰だそれ。おいおい。寝ぼけ過ぎだぞ。罰として一人でここの案内やってもらうからな!
無料読書案内の書生
えーっ!?一人で!?で、出来ないですよ〜!!
上司
寝てしまったお前の罪を呪いなさい。それじゃよろしく!おつかれ〜
無料読書案内の書生
ちょっ、ちょっと待って〜!!…あぁ。行ってしまった。どうしよう。どうかお客さんが来ませんように…。
お客さん
…あのすいません、人を操る禁断の文章術について聞きたいんですが。
無料読書案内の書生
(さ、早速お客さんだーっ!!ん?でも待てよ…)いらっしゃいませー!メンタリストDaiGoの作品でございますね。おまかせくださいませ!
 あとがき


いつもより少しだけ自信を持って『人を操る禁断の文章術』の読書案内をしている書生。彼のポケットには「読書エフスキーより」と書かれたカセットテープが入っていたのでした。果たして文豪型レビューロボ読書エフスキー3世は本当にいたのか。そもそも未来のロボが、なぜカセットテープというレトロなものを…。
読書エフスキー
ウィンク。パチンパチン。

名言や気に入った表現の引用

書生
「一杯の茶を飲めれば、世界なんか破滅したって、それでいいのさ。by フョードル・ドストエフスキー」という事で、僕の心を震えさせた『人を操る禁断の文章術』の言葉たちです。善悪は別として。

文章はただ書くのではなく、読んだ相手の心を動かし、想像力を使ってもらうために書くのです。

p.7

トップセールスマンと呼ばれる人たちが、他のセールスマンと違うのは、お客様の心の準備のために工夫している点です。

p.9

文章は一度、書いてしまえば半永久的に働いてくれるのです。

p.11

文章とは、読まれるために書くものではない。行動させるために書くものだ。

p.18

目標は、文章化されることでより明確になり、達成しやすくなることは、すでに「心理学」でも証明されています。目標をなんとなく持ってしまうよりも、文字にすると、目標を達成することに固執するようになるのです。

p.38

「名言」が人の心をつかむのは、常識的なこと、当たり前のことを言っているからです。もちろん、常識的なことを当たり前の言葉で表現したところで、名言にはなりません。

p.44

極端な言い方をすると、ありきたりで常識的な言い回しに、過剰で具体的な条件を表す言葉を組み込むと、その文章は名言に変わるのです。

p.47

書き方のポイントとなるのは、「自分が何を伝えたいか」ではなく、「この文章を読んだとき、相手にどんな行動をして欲しいか」で考えること。

p.54

人は受け取った情報が足りないときは想像や予測で判断する習性があります。

p.56

読み手が都合のいいように想像できる、ある程度の「隙」や「余白」を残している文章が、いい文章だという言い方もできるわけです。

p.57

文章を書くときのスタート地点は、「相手にどんな行動をして欲しいか」を考えることです。ラブレターなら、「好きだと伝え、できれば相手にイエスと言わせて、交際を始めたい」がスタート。

p.58

あえて文章を短くすることで、読み手の想像力を借りる。「伝わる文章」よりも「したくなる文章」を書こう。

p.63

書くべきなのは、表現が稚拙であろうと、言葉選びが洗練されていなくても、個人的な思いや背景が盛り込まれた文章です。

p.67

当たり障りのないきれいな文章を書いてはいけません。

p.67

「きれいな文章を書いてはいけない」という原則とともに覚えてもらいたい法則が1つあります。
 それは「人は“論理”ではなく“感情”で動く」という心理法則です。
 人は論理で納得しても行動には移りません。
 逆です。感情によって行動したあと、その行動を正当化しているのです。理屈をつけて、「正しい行動をした」と自分で自分を納得させているのです。

pp.68-69

きれいな文章では使われない言い回しだからこそ、読み手一人ひとりの感情に伝わっていく。そこに人の「顔」が見えるということが重要なのです。

p.71

これを読むのはどんな人か、どんな人たちかを十分に調べておくこと。ペンを持ったり、キーボードを打つのはそのあとです。

p.79

読まれる文章には、うまさや美しさではなく、「あなたの欲求を満たすものがここにありますよ!」という強い求心力が備わっているのです。

p.92

強いフックとなるのが、人の心にある「建前を認めてほしい」という欲求。心の中に秘めている本音を見抜き、認めてあげられたら、その人は認めてくれた相手を心から信頼し、本音を話してくれるようになります。

p.106

「ホンネとタテマエ」のトリガーを、責任のある立場の人に対して使うなら、「●●だって人間ですから」「普通の人だったら」という言葉が、理想と現実の間にある欲求を刺激するキーワードになります。

p.114

「無料が嫌い」という人はごくごく少数派。多くの人が、「無料!」という言葉に心を奪われる背景には、全人類共通する「自分が得することよりも損することに、より大きな影響を受ける」という心理があります。

p.128

両面提示とは、物事の良い面、悪い面を均等に伝えることで、物事を疑ってかかる慎重な人や、その商品に対する知識を持っている人の信頼を得る方法です。
 デメリットを知ることで、相手はこちらを信頼してくれ、さらに「こういう部分は良くないんだな」と納得してくれます。その上で決断させれば、その人は自分の決定に満足し、気持良く購入に動いてくれるのです。

pp.132-133

両面提示を行う上で重要なのは、ネガティブな情報を先に提示したあとで、ポジティブな情報を伝えるという順序です。

p.134

人は自分だけが集団から遅れることをすごく恐れるもので、自分に「近い人」の意見により強い影響を受けるからです。

p.142

「こんなの初めて!」や「変わりました」は強烈なパンチとなって、相手の「認められたい」を満たしていきます。

p.150

人は、数量限定よりも情報の限定に弱い

p.154

人間は、あったはずのものや持っていたはずのものがなくなりそうになると、心が煽られるのです

p.154

 初対面の印象は7秒で決まり、半年間持続すると言われています。
 文章の書き出しも同じです。いわば書き出しは、文章の初対面ですね。

p.169

人は、第一印象の影響から離れられない。文章の書き出しは、好印象に見せるため、感情や共通の体験をポジティブかつ詳しく書く。

p.172

「繰り返す」において、やってはいけない致命的な失敗があることも明らかになりました。
 それは同じ言葉を3回以上使うことです。

p.176

 そこに書かれている内容がどんなに画期的な理論であっても、読まれなければ広まりませんよね。
 大事なのは表現を変えて10回繰り返すこと。言い換えや類語によって10回繰り返せるだけのバリエーションを持つことが大切です。

p.177

人は文章より会話のほうが内容を覚えやすいからです。自分や相手の表情や動作といった視覚情報がある分、記憶に残りやすいというだけでなく、やりとりの中に「Q&A」があるので、内容がきちんと伝わりやすいのです。

p.191

 ポイントは、自分がこう言ったら、相手はこう反応するだろうなと想像すること。私たちは会話の間中、絶え間なくさまざまなパターンの想像を繰り返しています。
 空気を読む日本人らしく、「こう言ったら、こう返ってくるかも……」とシミュレーションをしながら話すので、相手の答えや反応についての印象も強く残るのです。

 自分の投げかけた質問に対して、相手がどう答えるかを想像しながら、書く。
 つまり、読みての疑問や反応を取り込んで書くこと。
 これが「話しかけるように書く」のコツとなります。

pp.192-193

文章は会話をするように一人二役で書こう。
それをまとめれば、
カンタンに心を動かす文章が書ける。

p.195

 ストーリーは予想される読み手の心の動きに沿って展開させること。
 自分を正当化させるために使っても、共感は得られませんからね。
 あくまでも「上げて、下げて、また上げる」のは、相手の感情です。

p.203

人間は、達成した課題よりも、達成されなかったことや中断されていることをよく覚えている

p.205

1つ目のポイントは、追伸の前の部分で一度、きちんと話を終了させておくこと。

p.209

2つ目のポイントは、追伸の短文の中にクライマックスをつくること。

p.209

 ここでポイントとなるのは、最初の3行。ここに必要な情報を網羅すること。逆に言えば、この3行と「追伸」を読めば、すべてが伝わるように仕立てられれば理想的。なぜなら、長いメールは敬遠されるからです。
 その3行に込めるのは「書き出し、ポジティブ」な挨拶文と、具体的な「用件」の2点です。

p.214

本文の狙いは情報の伝達で、「追伸」の役目は感情の交流です。

p.216

いずれにしろ重要なのは、「件名」で読んでみようという気にさせること。私たちは一度、メールを開いてしまえば、タイトル、件名を見返すことはほとんどありません。手の込んだプレゼントのリボンや包装紙と同じく、受け取った時の喜び、驚きというインパクトを残せれば、役割を果たしたことになります。

p.221

読書エフスキー
引用:『人を操る禁断の文章術』メンタリストDaiGo著(かんき出版)

人を操る禁断の文章術を読みながら浮かんだ作品

影響力の武器
4.5

著者:ロバート・B・チャルディーニ
翻訳:社会行動研究会
出版:誠信書房
ページ数:492

読書エフスキー
もし本気でビジネスで使えるコピーライティングを学びたいのであれば、消費者視点から説明してくれている『影響力の武器』や…。
神話の法則
3.9

著者:クリストファー・ボグラー
翻訳:岡田勲
出版:ストーリーアーツ&サイエンス研究所
ページ数:508

読書エフスキー3世
人の共感性を学べる『神話の法則』がおすすめです。
書生
神話の法則はプレミアがついている場合があるので注意。初版の定価は3600円ぐらいで重版は4200円ほどです。僕は両方持っていますが、内容はほぼ変わりません。

レビューまとめ


ども。読書エフスキー3世の中の人、野口明人です。

人を操る禁断の文章術を読み終わって最初に思った事は、「え!?もう終わり!?」でした。唐突に終わるんですよね、この本。あとがきもなければ、まとめ的なものもない

テクニック紹介に徹底していると言えば聞こえが良さそうですが、僕としてはまとめの部分で『人を操る』という事についてちょっと触れて欲しかった事もあって、残念な気持ちになりました。

ここで紹介しているテクニックを使って、ビジネスを展開するとなると、ちょっとだけ反応率は上がるかもしれません。しかし、それは一時的でしょうし、何よりもやっている本人が嫌な気分になってくるでしょう。

仕事は続かなければ意味がありません。いえ、続けなければならない事なのです。

しかし、世の中にはどれだけ数字が出せても自分のやっている事に疑問を持って、悩んで仕事を辞めてしまう人がいます。

人を操る。それは魅力的な響きを持つかもしれません。でもそれでは続かないのです。それはビジネスがバトルになってしまっているから。販売者 VS 消費者の構造になってしまっているからです。

もしこれが「人を導く」に変えられたらどうでしょう。販売者と消費者が横に並んで対面構造を取り除けたら。そうしたら自分の行動に誇りが持てるようになるのではないでしょうか。仕事も楽しくなるのではないでしょうか。

たとえば詐欺も手品も人を騙す事は一緒ですが、その人の心が違います。テクニックなんてものはあくまでも道具です。それは使い方次第。使っている人の心次第なのです。

だからこそ「人を操る禁断の文章術」がテクニックだけに特化し、マインドの部分に触れておらず、人を操るで終わってしまったのが残念です。ビジネス用途で使うにはちょっと危険です。数字をとるだけのテクニックになってしまうかもしれませんから。

なので、ここに書かれている事を仕事で実践する時は、その前にもう一冊、仕事のマインドについて書かれている本を読んでみてから行うことをおすすめします。

まぁ、読み物としてはわかりやすく良いものだと思いますけどね。非常によくまとまっているので、自分が書いたものを見ながらの復習として使うのもいいでしょう。

あ、あとは友達や上司とのコミュニケーションに悩んでいるのであれば、参考になるでしょう。そこにお金は発生しませんし、もともとの構造が仲間という横並びのものですから、人を操るという考えが緩和されます。

…というわけで、ブロガーには紹介したくない本として知った「人を操る禁断の文章術」ですが、その意味がわかった気がします。この本はターゲットを広く設定されているみたいですが、不特定多数を相手にする媒体には向きません。

相手を良く知っている。相手を知ることの出来る立場にいる。そういう人にとって自分の言いたいことを伝える為に役に立つ本と言えるでしょう。

ではでは、そんな感じで、『人を操る禁断の文章術』でした。

ここまでページを閉じずに読んで頂いて本当にありがとうございます

最後にこの本の点数は…


人を操る禁断の文章術 - 感想・書評

人を操る禁断の文章術
4.0

著者:メンタリストDaiGo
出版:かんき出版
ページ数:177

人を操る禁断の文章術 ¥ 1361
  • 読みやすさ - 85%
    85%
  • 為になる - 63%
    63%
  • 何度も読みたい - 61%
    61%
  • 面白さ - 75%
    75%
  • 心揺さぶる - 68%
    68%
70%

読書感想文

ちょっと誤字脱字が気になる部分が数ヶ所ありますが、それ以外は非常に読みやすい本です。今までこういう系の本を読んだことない人にとっては、おお!!と思う部分が多いことでしょう。ただ、やってみればわかりますが、ここに書いてある事をそのまま実践しても最終的な結果では損することも多いはず。文中で紹介したウォール・ストリート・ジャーナルの続きにも書いてありましたが、人を分けるのは持っている知識と、その活かし方。テクニックに溺れないよう注意が必要です。…次は、レビューに書いてあったDaiGoのパクリ元と言われている本を読んでみようかな〜。

Sending
User Review
85% (1 vote)
いいね!をいただけると歓喜します